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「ーーーおっと」
「うわっっ」
結の笑顔を見て、駆け寄ってきた緋成に、
凌が結を抱き上げてそれを制す。
結を抱きしめようとした両手は、目的を無くし、
空振りをして、バランスを崩した緋成はそのまま地へとダイブした。
「兄上…ひどい……」
「俺の心配より、先立つものがあるのか?」
「だって、俺の奥さんですもん」
結を抱き上げる凌を恨めしそうに見上げながら、地に手をついた緋成がブツブツと文句を返す。
数年連絡を経っていたブランクを感じさせないそのやりとりに結は苦笑する。
「姐様!!」
と、凌に抱き上げられたままの結に、泣きそうな山茶花がしがみついた。
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