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~龍牙side~ 本棟側にある中庭でオレは奏斗と一服していた。 ここは普段も生徒会と風紀くらいしか生徒の進入許可をだしておらず、新歓中は全生徒の進入を禁止させた。 「ハルは楽しんでるかな」 フフ、と笑いながら奏斗が呟いたので当たり前だと返してやる。 この1週間ハルは楽しそうに友達とのことを欠かさずメールしてきた。 欠かさず、だ。 ハルは今まで友達と呼べる存在がいなかった。 似たもので同僚や先輩、後輩はいたが友達とは少し違うだろう。 「龍牙は妬かないよな、ハルに構って貰えなくても」 「ハルは大切だし、愛してるが恋愛対象に見てる訳じゃないからな」 確かに、構って欲しいし、くれないと寂しく思う。 愛情表現に深いキスを交わし、悪いムシが付かないように牽制もする。 だけど、恋愛的な意味ではなく、家族愛としてだ。 出会って4年しか経っていないがハルにはあり得ない程に親近感を感じる。 大体、 「それは奏斗も同じだろうが」 「まあ、そうだな。俺が父親で龍牙は母親って所か?」 「ふざけるなよ。俺が…」 ピリリリリ 反論しようとした所で胸ポケットから響く着信音。 ディスプレイには『翔』の文字。 保健医からの電話内容は大概強姦や悪質なイジメといったモノの被害届だ。 そして証拠と犯人が挙がったら理事長であるオレに連絡し、風紀委員長からの報告書と処罰内容を確認後に処分が決まる。 書類仕事は面倒だからこういうのが挙がってくるのは歓迎出来ない。 「なにかあったのか?」 「龍牙か?生徒会会計の一ノ瀬が強姦されて今保健室に、」
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