7人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
夢を見ている。
夢の中の僕は女性と一緒にいる。
そして、彼女を愛している。
だから、僕は彼女の頸を絞める。
彼女も僕を愛しているから僕の手が頸に触れると、そっと顎を上げて頸を絞めやすくする。
きりきりと僕の両手は彼女の頸を絞めあげ、気管を潰す。
僕の瞳からは汚れたら液体が零れだし、彼女の胸を汚染する。
彼女の瞳からは綺麗な雫が溢れて、僕の両手を濡らす。
これが僕らの愛し方。
彼女が望み、僕が叶える。
僕が望み、彼女が応える。
抱擁の代わりに、
口づけの代わりに、
頸を絞める。
頸を絞める。
頸を…絞める…。
やがて、彼女が綺麗な人形になると、
僕は、彼女の頸から手を離し、彼女の右手をやさしく掴む。
握られたナイフごと、やさしく掴む。
そして、左胸にナイフをあてがうと、きつく彼女を抱きしめる。
人形になった彼女が赤く染まっていくのを見つめながら、僕は人形の彼女に愛していると囁いた。
最初のコメントを投稿しよう!