ホワイトライン。

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     君と僕の間にある境界線。  真っ白な粉で、だけどしっかり引かれている。  僕は白線のむこう側にいる君を見つめている。  君は白線のむこう側にいる僕を見つめている。  僕と君は、髪の長さが違う。  声のトーンも、顔つきも。身体も違う。  そんな僕は、君に恋をした。  いつでも君を目で、いつの間にか追っていた。  僕の足は白線の向こうへ運ばれていった。  気づけば僕と君の距離は0だった。  僕は君の唇に僕の唇を重ねた。  君は身じろぎをしたけど、突き飛ばす事はしなかった。  いつのまにか僕と君の間にあった白線は消えていた。  だけど、そのかわり。  僕と君をまるで囲むように、  今度は赤い柔らかな線が引かれていた。  その赤い線はぼやけることも、消えることもなく、  僕たちが消えるまで地面に引かれていた。  いくつもの世界で、必ずその白線は引かれているんだ。  僕は、その白線を越えた。  そして君と繋がった。  白線がなければ僕は・・・  君に気づくことすら、できなかったかもしれない。  異性でなければ、君という存在の、  君の魅力を何とも感じなかったはずだ。  だから僕は白線に感謝した。  僕らを区切る、この白線に。  ―――だけど全ての人がその白線を、  良いものとは見なしていないようだった。  (*クリアライン。に続く。)
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