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「シンヤ オキャクサマ」
しばらく姿をみせなかったアニーが、石黒の元に駆け寄ってきた。
「ん?どなただい?」
「ント……タクサンノ ハカセガタクサン」
アニーの不可解な言葉に首を傾げながらも、石黒は立ち上がり上着に手をかける。
「ロビーデ マッテル」
「えっ?部屋にお通ししなかったのかい?」
アニーは立ち止まると、
「アニーノイウコト キイテクレナイノ」
アニーはお客様うけがいい。その可愛らしい姿や所作に男女問わずファンが多い。
そのアニーの接客が効かないお客様?
石黒の顔が引き締まる。
「それにしてもなんだか騒がしいな?」
何人もの声が重なって、笑い声も微かに聞こえてくる。
「いやぁ、アッパレ!」
「さすがだわ!」
この声とテンション。石黒は駆け出す。
(ったく、なんであの人達が来ているんだ)
社長宅のバーベキュー以来一ヶ月ぶりの再会だった。
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