死神マンション

4/26
前へ
/308ページ
次へ
最高齢のタエおばあちゃんは、手押し車にちょこんと座り、持参の水筒でお茶など飲んでいる。 「まだまだ昼間は暑いでしょう?取りあえず涼しい部屋で休んで下さい」 石黒がアニーに目配せすると、渋々準備に取りかかる。 アニーは、お年寄り軍団が苦手のようだ。 「いや、いや、それには及ばんよ?すぐに出発じゃ!社長の許可は取ってあるからの」 アニーと石黒の動きが止まった。 「許可?なんの許可です?」 「ついて来たらわかる。アミーちゃんも一緒にな」 「アミージャナイノ アニー!」 「はぁ?マミーちゃんかい?失礼、失礼!」 すっかり不機嫌になったアニーを慰めるハリセン。 「シカタナインヤ……ジイチャンタチハ ミミガナ……ワルギハナインヤデ?」 「シラナイ!」 頭のリボンを揺らし、石黒の足元に顔を埋めるアニー。 「アニー、アニーも一緒?」 石黒はアニーを連呼し、果敢に立ち向かう。
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加