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最高齢のタエおばあちゃんは、手押し車にちょこんと座り、持参の水筒でお茶など飲んでいる。
「まだまだ昼間は暑いでしょう?取りあえず涼しい部屋で休んで下さい」
石黒がアニーに目配せすると、渋々準備に取りかかる。
アニーは、お年寄り軍団が苦手のようだ。
「いや、いや、それには及ばんよ?すぐに出発じゃ!社長の許可は取ってあるからの」
アニーと石黒の動きが止まった。
「許可?なんの許可です?」
「ついて来たらわかる。アミーちゃんも一緒にな」
「アミージャナイノ アニー!」
「はぁ?マミーちゃんかい?失礼、失礼!」
すっかり不機嫌になったアニーを慰めるハリセン。
「シカタナインヤ……ジイチャンタチハ ミミガナ……ワルギハナインヤデ?」
「シラナイ!」
頭のリボンを揺らし、石黒の足元に顔を埋めるアニー。
「アニー、アニーも一緒?」
石黒はアニーを連呼し、果敢に立ち向かう。
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