始まりの予感

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地獄の授業を終えた俺は、いつもと同じく愚痴りながら教室で制服に着替える。 その愚痴を聞いている面々は、面倒な奴と思っているに違いない。 この時期の教室は寒いため、着替えるのに時間はかかるし、ボタンは止めるだけでストレスが溜まる。 何とか着替え終わった俺は、次の授業道具を持って席に着く。 「はぁー次の授業は英語Ⅱかよ」 誰も聞いていないのに喋っている俺の横で、栗栖は授業の準備をしている最中だった。 栗栖は・・・まぁ説明だけでもしておこう。 こいつは平凡な人間だ、成績、身長、体重、行動、発言、全てにおいて普通だ、普通すぎて説明することがないぐらい普通だ。 昔は剣道をやっていたらしいが、高校になって辞めたって言っていた。 そんな事を考えている間にも、もう授業が始まろうとしていた。 授業を知らせるチャイムの秒読みが最近のブームとなっていた俺は、教室に掛けてある時計で秒読みを開始しようとしていた。 するとチャイムではなく、生徒指導の先生の声が放送から聞こえてきた。 「放送します、生徒は至急体育館に集合しなさい」 「ん?何かあったのか」 横から栗栖が俺に質問してくるが、俺が知っているはずがない。 「さぁ、誰か馬鹿やったんじゃねえの?」 「そっか、まぁ体育館に行こっと」 俺たちは、ゆっくりと体育館に向かった・・・
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