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「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「逃げろ!急いで逃げるんだ!」
「逃げるってどこに!」
「嫌だ!止めてくれぇぇぇぇ」
負傷した人たちは次々に生徒達に噛み付いていった。
それを目の当たりにした生徒や教師などは我先に逃げていく。
俺も全速力で逃げていたが、途中で合流したは栗栖や中洲などいつもの面々が集まっていた。
運動部に所属していないにも関わらず、全員がプロ顔負けの走りをしていた。
「これってあれだよな!ゾンビだよな!」
息が切れて喋るのもやっとな状態で、俺は栗栖に言っていた。
すると横から河野が話しに加わる。
「良かったじゃん栗栖、さっさと戦って来いや!」
「いや無理だって河野!武器ないし!」
誰もが死に物狂いで走っていた。
もちろん俺たちも死に物狂いで逃げていた。
逃げている最中、悲鳴や助けを求める声が聞こえたが無視して逃げていた。
そのまま校門を出た途端、俺たちは言葉を失っていた。
見渡せば辺り一面ケガ人と奴らで阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。
「痛ッ・・・夢じゃないのかよ」
無意識に自分の頬を叩いていた。
おかげで周りの悲惨な状況は現実だと認識させられてしまった。
これからどうしようか、まずは皆に聞いてみるか。
「どうする、ここから中洲や河野なんか家が遠いけど?」
「そうだな、ここから一番近い永作の家に逃げるってのはどうだ?」
「近いってここから歩いたら40分ぐらいだぞ」
「まぁ何とかなるだろう」
中洲はそう言って携帯電話を取り出したと思うと、どこかに電話をかけていた。
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