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父が言う淳とは、淳子(ｼﾞｭﾝｺ)、母のことだ。
父と母が別居する前は、父と母、兄と私で小さなアパートに住んでいた。弟が産まれる前のことだ。小さかった私は嫌な記憶だったことから、鮮明に覚えてる。
気が短い父は、仕事が終わり帰ってくると毎日機嫌が悪く、大抵兄に八つ当たりをして暴力を振っていた。
母は、お金使いの悪い父が嫌いで、更に息子に暴力を振るうことから、ストレスの矛先を私に向け、暴力を振っていた。
終いには、弟が出来たといって実家に帰ることが増えた。その間、私は父と２人でアパートに取り残されていた。
ある時、父の転勤といって別居する事になった。暴力を私に振るうことから母が苦手だった私は父についていった。確か、自分で選んだ。父に好いていた私を母は良く思わず、父について行くことも賛成だった。
…………この時、離婚していた。
ということは、兄妹２人はまだ知らなかった。
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