トラブルメーカー

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  しかし、不運なことにもそんな俺の平凡な日常は、ある一人の女子生徒によって奪い去られた。 そして俺は今、その事実を再確認しているところである。 俺が彼女に何かした訳でもなく、出会いは食堂だった。 ラスト一個の焼きそばパンの行方をジャンケンで決めた結果、幸運なことにも俺が勝った。 ……後々考えてみると、それは“不幸”の前触れだった。 それから事あるごとに絡んでくるようになり、現在に至る。 表通りを全力疾走しながら、 「何で俺はこんな青春を謳歌しなきゃなんないんだよう!」 そう吐き出さずにはいられなかった。 周りで『幸せ一杯です』オーラを放っているカップル共が、無様に走り回る俺をネタに談笑しているのが分かる。 こんな愉快な日常を毎日繰り広げているなんて、負け組確定だ。  
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