異常を求めるひと

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さて、色々と悪い感じの言葉ばかりを述べてきたが、これでは私が殆ど無人の公園の名前を相手にいちゃもんばかりを付ける変人でしかないので、いい加減に何箇所かは褒めてみようと思う。 第一に「楽さ」だ。この名前を考え付くまでに一体どれだけの時間を要したのだろうか、と考えたときに思い出る時間は、おおよそ5秒~30秒程度だろう。ちょっとした思い付きで出でてきただろう名前を採用してしまう点には、ちょっとした度胸や勇気にに近いものを感じる。これが第二でもある。第三は、「パーク公園」の前についている"たのしい!"が、とてつもなくシニカルな意味合いに読めることだ。たのしい!、と銘打っているのに、中にある設備が腐りかけのベンチと水のみ場だけなのは、一体全体どういうことなのかと首を捻りたくなる。生憎と私はこの公園に来てから楽しいと思ったことは、こうしてこの公園の名前をディスるときくらいだ。もちろん、私が名前をディスって楽しむことを計算に入れてこういう名前にしたのであれば、きっと名付け親の人は相当に頭の切れる、私以上に頭のいい人間であることは間違いない。だがそれを確かめる術はないし、基本的にそんな未来予知に等しいことができる人はいないと思う。"絶対にありえないことはない"という考えで思考を進めるのは、悪魔の証明を受け入れるのと等しいのだ。だから、名付け親の人が私の出現を予知していた可能性は全く無いものとする。 ……褒めるつもりがついうっかり、またもや批判的な感じになってしまった。ついつい物事に否定的になってしまうのは私の悪い癖であり、これのせいで中学時代のニックネームがネガティブになってしまったのは思い出したくないことだ。
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