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side 流星
?「・・・・・・・・・銀」
風の音に掻き消されてしまいそうな程小さな声に、
まどろみかけた意識が浮上した。
寝返りを打つようにしてその方向を見れば
ベッドに寝かせていた"落とし物"が
私の寝ているソファーの近くに立っていた。
身じろいだ私の様子に気付いたのか、
"落とし物"は開け放たれた窓の外を映していた視界を私に向けた。
カフェオレ色の髪に良く合った空色の瞳を覗き込めば、
?「・・・名前は?」
と、唐突に問われた。
―――・・・名前より先に聞くべき事が有るのでは?
そう思いながらも
表面上はニコリと笑んで答える。
流「流星、と申します。
あなたのお名前は?」
朔「・・・・・・朔夜」
問い返したら、
少しの間を置いて小さな返答があった。
・・・それにしても
この"落とし物"・・・・・・朔夜は
人間で言えば16~8歳であろうに
何故この状況下で冷静で居られるのだろうか・・・
今までにこの森に迷い込んできた人間達の反応と比べて
不思議に思う。
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