プロローグ

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とある廃墟 その中のあちこちにあるのは人間の死体。それらには共通点が二つあった。一つは同じ服…軍服を着ていること、もう一つは刃物で切られた痕があること。 この廃墟の一角、廃墟全体を一望できる高台の上に一人の少年が立っていた。黒い髪が乱雑に逆立ち、黒いジーンズに黒のジャケット羽織り、その下に白のシャツを着た少年は、腕につけた白い外装に液晶画面のついた機械…多目的個人端末(Multipurpose Personal Terminal)通称MPTで通信していた。 「…ああ、任務完了だ、他に何かあるか?…分かった、なら金はブロードラインの銀行口座に振り込んでくれ…ああ、サンキュ、また何かあったら遠慮なく依頼してくれ…それじゃ。」 少年は通信を終え、死体の転がった廃墟を黒眼で一度見渡した。 「さて、また遅くなるとみゆに怒られるし、さっさと帰るか。」 そう言い残し、彼は廃墟から去って行った。
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