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「おーいコノハー!」
自然豊かな小さな村、ヨルム。
薪割りをしている最中の俺を呼ぶ声が聞こえた。声が聞こえた方へ振り向くと、声の主はもう近くまで来ていた。
「また薪割りやってるのかコノハ?」
そう呆れ気味に言ったのは先程俺を呼んだ声の主、少年のジンク。
歳は十六歳で俺と同い年。少したれ目気味の茶色の目。ゆるくパーマがかかったような茶髪。男にしては少し白い肌。身長は168センチと少し小柄だが、みるからにしておだやかそうな少年だ。
「まあな、俺が好きでやってるだけだ」
一息つきながらそう答える俺ことコノハ。
俺の容姿はヨルムでは少し変わっていてあまり見かけない黒の鋭い双眸に黒い髪。ジンクと同じように男にしては少し白い肌。身長もジンクとあまり変わらない167センチ。
この村では茶髪など明るい色素の人がよく産まれるが、俺みたいな黒い髪や目の人物は稀にしか産まれないらしい。
「で?ジンクは俺に何か用があったんじゃないのか?」
「あ、そうだね。村長がコノハに頼みたいことがあるって」
「村長が?また変な頼みごとじゃないだろうな?」
「うーん…どうだろ?」
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