第一章 ヴァルキュリアの出陣

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 初出勤から数週間が経った。  始めは規模の大きい厨房に、戸惑いもしたが、  さすがに七年築き上げてきたシェフとしての経歴が仕事をスムーズにさせた。 『一条さんってどっかで見たことあるんだよね…どこだったかな』  初出勤以来、奈央は一条の既知感が気になってしょうがなかった。 『うーん、考えても出て来ないな』 「おい」 「ッ!?」  突然背後から声をかけられて、かき混ぜていたホワイトソースのスプーンを落としそうになる。
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