第一章 ヴァルキュリアの出陣

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「あなたが今日からうちに入った新人さんですか? ずいぶんと可愛らしいんですね」      シェフコートに着替えて、厨房に入ると、綺麗な髪を一つに束ねた長身の男性が話しかけてきた。 「私は羽村誠って言います、アルページュのスー・シェフです、よろしく」 「春日奈央です、よろしくお願いします」  この人は本当にシェフなんだろうか?  どこかのファッション雑誌のモデルのようなスタイルに、中性的な容姿。  今までにこんなタイプの人と厨房で仕事したことのなかった奈央は戸惑いを覚えた。
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