第一章 ヴァルキュリアの出陣

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 厨房仕事は今では男女比がさほどなくなってきてるとはいえ、やはり力仕事だし、 イコール男性の仕事という風潮はまだ残っていた。 「俺はここの責任者、一条だ…女ねぇ、お前ウェイトレス希望じゃなかったっけ?」 「司…いえ、一条シェフ、いきなり初対面で失礼ですよ」  羽村が一条を咎めると、ふん、と鼻を鳴らして奈央を見下ろす。 『なんか、この人も綺麗な顔してるんだな』  奈央は見下されているというのに、近くで一条の顔を見るなりそう思ってしまった。 「シェフ歴七年ね、基本的な事はわかってると思っていいんだな?」 「はい」 「まぁ、女だからって贔屓はしないからそのつもりで」  そういうと一条は、羽村に後は任せたと言わんばかりに向こうへ行ってしまった。
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