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「んあ? まあ、日頃世話になってるからな」
「……世話した覚えは無いけど……」
黙って、また一本団子を食べ始める。
今度は草団子。
「あ、これ美味しい。 やっぱイマドキと違って、ちゃんと作ってるって感じだよね」
どう違うってんだ?
団子なんて、そうそう変わるもんでも無いだろうに。
「まあさあ、ありがたくお供えしてもらっておくけどね」
と、団子を食べながら、今度は椿がにやりと笑う。
「賄賂のつもりかもしれないけど、私はそんなに簡単には乗せられないから」
そう捨て台詞を吐き、飲み終えた俺の湯呑を取り上げると、窓を閉めた。
「あ、おい!」
ちきしょう、餓鬼の癖に、俺の思惑はお見通しってか……。
まあ、一筋縄でいかねえところが、面白れえじゃあねえか。
いつか絶対に、俺の手中に収めてやる。
何としてでも、情報を手に入れてやる!
覚悟しとけ!
なんて、捨て台詞を俺も吐いてやる。
すでに閉じている窓に向かって……。
なんか……情けなくなってきた。
仕事でもしよう。
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