~ 駆け引きは架け橋 ~

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……やめよう。 変に聞いて、店を探し出されて目をつけられたら、やばい。 「ご先祖様がされていた店なんですか?」 「ええ、その先祖の名前がこれなんですわ」 と、その男の人は笑った。 まあ、だとしても名前をそのままにしちゃうだなんて、ある意味勇気あるわ。 だって、どうしたってミスマッチ。 そのミスマッチさを狙っているのか? 「じゃあ、もしその時代の人に食べてもらうなら、どのお菓子がお勧めですか?」 我ながら、何を聞いてるんだって感じだけど、その店の人は笑いながら、いくつか教えてくれる。 「これと、これなんかは江戸時代の人でも、食べやすいんちゃいますかね」 「じゃあ、それください」 私は、お勧めを購入し、紙袋を下げて店を出た。 のベージュに金のリボンの紙袋に、金と黒の文字で店の名前が浮き上がるようにプリントされている。 やっぱりミスマッチだ。 『cafe 伝兵衛』 .
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