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「たーだいまっと!」
家に帰りついてすぐに、窓の部屋を開け放つ。
お互いの側の人間には、誰一人見えないのをいいことに、私は、いきなり窓を開けるようになっていた。
窓が開いていれば、向こう側に他の誰がいようが、互いに平然と話しかけもする。
そして、互いに、「話せない時に話しかけるな」と、怒ったりもする。
最初に窓が繋がった頃は、珍しくて毎日。
慣れてきたら、五日に一度。
それが三日になり二日になり……。
今じゃあ、帰ったら窓をすぐに開けるのが日課だ。
それに対し土方も文句は言わない。
最近じゃ、互いに話をしないで、私は勉強、土方は仕事をしてたりすることもある。
それでも窓は繋げたまま。
なんていうか、友人? 家族?
どういう感情なのかはよくわからないけど、土方といるのが当たり前になっている日々。
土方も同じように思っているのかは、わからないけど、迷惑そうじゃなさそうだし、大丈夫なんだろう。
「おう、よく戻った」
相変わらずの返事。
素直に「おかえり」って言えないもんかね。
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