~ 駆け引きは架け橋 ~

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「今日はお土産。 はい」 そう言って、紙袋の中身を窓の向こうへと置いてやる。 「土産? なんだ?」 「最近、近くに新しくオープンしたお菓子屋さんがあってさ、食べたこと無いだろうし買ってきた」 「ほお……」 「お茶入れてくるよ。 今日も私が入れるお茶だけどいい?」 お菓子をしげしげと眺めいた土方が、何か言いたげな顔を向けたけど、こくりと頷いた。 よし、じゃあ入れてくるか! 「着替えもするから、一旦閉めるね」 そう言って窓を閉める。 「おう」 最初の頃は、一旦閉めるというと、土方焦ってたよなあ。 そのまま、窓が開かないんじゃないか、開けないんじゃないかって思ってたみたい。 今じゃすっかり慣れたもの。 もう、書類に目を落としてる。 .
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