~ 駆け引きは架け橋 ~

7/37
前へ
/173ページ
次へ
土方にとっても、これがすっかり日常なんだなあ。 何だかくすぐったさを感じて、恥ずかしい。 まったく何だろうね、この感覚。 急いで着替えて、お茶入れて。 また窓を開ける。 誰も来てないね。 来ていてもお構いなしとはいえ、やっぱりいない方が落ち着くし。 「はい、土方」 すっかり土方用と化した湯呑を、向こう側へ置いてやる。 「……おう」 土方は、湯呑を見て私の顔を見る。 何? お菓子の袋と、湯呑と、私。 順番にしげしげと眺めている。 だから、何? 「なあ椿」 「何?」 「俺に、こんな高い湯呑を使ってくれなくていいんだぜ?」 「……はい?」 .
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

977人が本棚に入れています
本棚に追加