~ 駆け引きは架け橋 ~

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何の話? 苦笑いを浮かべながら、土方は湯呑とお菓子を両手で掲げた。 「菓子にしたってそうだ。 こんなに高い物出されたら、喉を通らねえじゃねえか」 はい? そんなに高くないよ。 ってか高かったら買わないって。 私は一般高校生だからね。 使えるお金は、そんなに多くない。 「例えそうは見なくても、お前が金持ちの娘だってのはわかった。 だが、俺の身分では……」 「ちょっと待って土方。 誰が金持ち?」 「お前の家だ。 武家か? それとも大きなお店(おたな)でも持ってんのか?」 「はあ?!」 どういう勘違い? ってか、何言ってんの? 「こんな箔の着いた湯呑や、菓子袋……。 俺にはもったいねえ」 箔? 確かに、湯呑の淵についてる。 そして、お菓子の袋には、店のデザインで統一しているのか、金文字。 え? これのこと? .
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