~ 駆け引きは架け橋 ~

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「そっちでは高価でも、こっちでは違う。 逆に、そっちでは安くても、こっちでは高価な物もあるの!」 そんなに時代が違うだけで、変わるものなのか? 手に入りやすくなる? そんなものなのか? 「だから、私の言う事を、疑ってかかるな!」 元々上がり気味の目と眉を、きりりと上げて、言い放つその様は……。 やっぱり、女にしておくのはもったいねえな。 「悪かった」 要するに、椿は自分の言葉を受け入れられなかった事に、腹を立てているわけか。 そう考えると、やっぱり餓鬼なのだと納得する反面、何故だか、嬉しく思っている自分もいる。 それだけ俺に信用されたいって事だよな? 何故だか、胸の奥の方が、むず痒い。 なんつうか、素直じゃあねえ女だよな。 「あああ、母さんに怒られちゃうよ、どうしてくれんのよ!」 「って、それは俺のせいか?」 割ったのは、お前だろう。 しかも、壁に叩きつけて……。 .
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