~ 駆け引きは架け橋 ~

17/37
前へ
/173ページ
次へ
「今度から土方の湯呑は、キャラクター物にしてやるから!」 「き、きゃらくたあ?」 って何だ? いつもなら、何かと尋ねるところだが、窓が繋がってからこのかた、学んだことがある。 普段の椿なら、面倒臭がりながらも、素直に教えてくれる。 ……が、この状態の椿には、質問はしないほうが身の為だ。 何故なら、返ってくるのは答えではなく、『物』になるからだ。 何度、色んな物を投げられたことか……。 ともかく今は、大人しくしておくべきだろう。 「湯呑の話は、いいや! とりあえず、そのお菓子を食べな」 と、俺の手元にある菓子を指し示す。 これも、俺からすりゃあ、高そうな物に見えるんだが……。 というよりも、もう本当に湯呑の話は、もういいのか? こういう、さばさばしたところも、椿らしいっちゃあ、らしいが。 京の女子というよりも、鯔背な江戸っ子のあんちゃんって感じがするのは、気のせいか? そんな事を、蒸し返そうものなら、確実に物が飛ぶか、この菓子も没収されるだろう。 椿の機嫌も損ねずに、没収もされないようにするならば、とっとと腹の中に納めちまうのが良策だろう。 .
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

977人が本棚に入れています
本棚に追加