~ 駆け引きは架け橋 ~

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「もう一つあるから、そっちもどうぞ」 「おう」 もう一つの菓子は、金文字などの装飾や、袋の感触などは同じもの。 だが、袋そのものは、濃いこげ茶色で、中身は見えない。 こういった濃い色一色に、金の一色。 悪くねえな。 今度着物を買うときゃあ、無地に、一色で川でも描かせてみるか? いや、やっぱ無地の着物に、帯に差し色ってのも粋だな。 先ほど椿がやっていたように、袋を開けてみる。 なるほど、丈夫そうな袋が、すんなりと開きやがる。 と、中からは茶の匂い。 「ん?」 覗くと、おそろしく鮮やかな緑色。 こ、これは食い物か? 「それは、抹茶ロール」 「抹茶? ああ、なるほど。 それでこの色な」 ろうるってのは、何だろうな。 .
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