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その次の日、僕が疲れて寝てる間に母さんは家を出て行ってしまった。
それから父と二人で暮らすようになって12年が経って、僕が15歳になったばかりの頃だ。
僕が学校から帰ってきたら、父が家で死んでいた。
首を吊って。
僕は声が枯れるまで泣き叫んだ。
そしてすぐに葬式が執り行われ、父は骨になった。
それからだろうか。
僕が涙脆くなったのは。
葬式も終わり、親族の車に乗ろうとした。
そのときだ。
一人の女性が、さっきまで葬式が行われていた建物を眺めていた。
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