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「大きくなったわね…ああ、髪はあの人にそっくりだわ」
母はそう言って僕の髪の毛を触ろうとした。
……嫌だ。
昔みたいになんて触ってほしくない。
「触るなっ!!」
パシッと乾いた音が響く。
僕が母の手を叩いた音だ。
「貴方のせいでお父さんが死んだ!!」
僕だけじゃ埋めれないくらいの寂しさが父を蝕んでいたんだ。
それだけじゃない。
妻である母に裏切られた絶望感もあったからだと思う。
父はそれに耐えれなくなって自殺した。
それなのになんで笑ってるの?
なんで僕を見て笑ってるの?
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