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里桜と春樹は正面玄関を通り過ぎ
支部長室へ向かった
支部長室は意外と簡単に見つかるもので10年前とは居場所が変わっていたもののすぐに見つかった
里桜は目の前に佇む、大理石の壁に囲まれた白い扉をみつめた
この扉は押戸なのでドアノブすらなく、これまた負けず劣らず真っ白な扉を隠していた
この扉をみつけるヒントはトルコ石で作られたドアノッカーがついていることだ
里桜はトルコ石のドアノッカーで三回扉をノックした
「失礼します。田原です」
言うが早いが相手の了承も得ずにずかずかと部屋に入り込んだ
「おい、いいのかよ」
と制止を促すような言葉をかけた春樹もその言葉とは裏腹に入り込んだ
2人の目の前にはチェスを楽しむ2人の上官がいた
「君たち…。先客がいることを予想出来ないのかね?」
上官の男性がいった
「はっ。何分、そのことを目の前で行われた方々から教わらなかったもので」
里桜は皮肉まがいに言った
「それを言われると痛いわね」
女性の上官は笑った
「帰還ご苦労!長旅だったろう。疲れを癒してくれ」
「鷹居中将(たかい)、我々は帰還したのではごさいません。ただの任務で来たのです」
春樹はめんどくさそうに上官に対する口上を述べた
「では、任務内容を」
「我々、国際警察特殊能力機関 田原 里桜准将並びに安川 春樹准将は日本支部管轄内において起こった某事件が今後の国際警察特殊能力機関の根幹を揺るがす可能性があるという国際警察特殊能力機関 総統 アルファ・ワグナス氏の杞憂を確認するために派遣された次第であります」
春樹と里桜は一言一句間違えずに同時に任務内容を述べた
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