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「なるほど…「国際警察防衛機関から移転したの?」 鷹居中将の言葉を遮り、身を乗り出して 2人に聞いたのは柳(やなぎ)中将である 「ええ。ワグナス氏からの推薦で。あたしたちにどこから漏れたのか“能力”があることがバレたらしくて」 里桜はふふ、と自虐的な笑みを浮かべた 「でも、防衛機関にいた頃以上に充実はしてます。何より自分の化け物じみたものを隠さなくていいようになりましたから」 春樹が鷹居中将と柳中将のチェスの対局を見ながら言った 「それじゃあ、某事件とは?」 「つい最近に大和川付近で行われた夏祭り。その時に2人の女子高生が殺害されましたよね?その犯人の目星は着いていてもうすぐ捕まえる段取りに入るとか」 春樹は意地悪げな笑みを口許に浮かべる 「さすが、本部。情報の上がりが早い」 「その事件にあたしたちが着目している特殊能力組織が関与している疑いがあるらしくて」 「なら、明日からでも現場に行くかい?」 「ええ」 里桜ははにかんだ
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