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「ちょっと。もう止めれば」
見かねたのか柱にもたれ掛かっていた影が声をかけた
「黙ってろ」
声に銃を撃つのを止めた影だが、また撃ち始める
「あたしが傷を負ったのは別に春樹のせいじゃないじゃん。だから自分を責める必要だってない」
影の制止を聞かずにべらべらと喋る
「…そうかも知れねぇが、俺は気が済まない。だから、すっこんでろ」
影―春樹は里桜を一瞥すると黙りこんだ
「はい、はい…わかったよ。んじゃ、あたし先に準備しとくから」
カツ、カツと黒いエナメルブーツのヒールを鳴らしながら階段を降りていく。
春樹はちらりと階段を見たが無表情を決め込んだ。
“…馬鹿ね”
という小さな呟きを背中に聞きながら。
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