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ヴァチカン本部
秘密情報管理者 タサナ・ブリーが里桜と春樹を連れヴァチカン本部の深部に来ていた。
今回はその深部の中でも秘密情報管理者たちのみが立ち入れるといわれる書庫に来ていた。
ヴァチカン本部のメンバーは謎に包まれたこの書庫に近づけないことを知っている。
それはどこぞの馬鹿な奴が深夜、深部に忍び込みこの書庫の扉を開こうとしたとたん扉のノブが牙をむき、そいつの手をかみちぎったとか、といううわさが流れていたからだ。
、、、まぁ冗談に過ぎないが。
「へぇ…実際見ると中は扉のわりに広いのね」里桜は中に入るとそんな感想を洩らす。
「ええ。そうなの。だからたくさんの情報が保管されてる分、私達も毎日交代で見張りに来てるのよ。どうせ私達の家はすぐ近くだから家に帰らなくてもそんなに問題はないの」
柔らかげに笑ったタサナは深紅に近い鎖骨まで伸びた髪を揺らしながら奥へと入っていく。
「しっかし、ほんとに書庫なんだなぁ。俺らの中じゃ上の、表に出せないものとか入ってんじゃねぇかって話してたんだぜ」
書庫が本当であったこととその大きさに呆気にとられながらゆっくりとタサナについていく春樹。
「バーカ。それは別の部署管轄だろーが」
里桜はいつまでたってもタサナを追わない春樹を蹴るとタサナを闇で見失わないように追った。光源はタサナの持つランプだけであるため取り残されてしまうと何一つ周りが見えなくなる可能性があるのだ。
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