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「日本に帰ってきたの、何年ぶりかしらね。ヴァチカンの方の暮らしが染み込んでこっちの暮らしを忘れてなきゃいいけど」 里桜は夕暮れに沈む水平線をタクシーの窓から見ながら言った 「俺、最高司令が出てくるなんて思わなくてさ、司令補佐官までで粘るの止める計算だったのに司令補佐官飛び越して最高司令だぜ?思わずOKしちゃったよ」 「あたしも。最高司令が直々だなんて聞いたことも無かったし見たことも無かった。まあ、見てしまったけど。それだけヴァチカンにとっても重要な事件ってことでしょ」 「渋谷区のどこで?」 タクシーの運転手が初めて口を開いた 「国際警察日本支部へ」 「あそこに行くには通行許可証が必要ですが?」 「あぁ。それなら大丈夫です。持ってますから」 というと黒を基調としてゴールドラインが下側に横に二本、シルバーのラインが右上斜めに描かれている手帳を運転手に見せた 「関係者の方ですか。なぜ、空港から?」 「こっちには10年ぶりに仕事で」 「なるほど」 タクシーは、渋谷区の中心部へ続く高速道路に入った
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