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俺は廊下をろうそくを持った老人と歩いていた。
「俺、どこッスか?」
「730くらい」
不思議と廊下の両端に並ぶ長いベッドは気にならなかった。
俺がここに寝るのも知っていた。
730とはベッドの番号だろう。
気が付くと目の前には大きな扉があり、老人は手を使わずに開けた...と言うよりも勝手に開いた。
中は、螺旋に渦巻いていて、中央に向かって螺旋が小さく見える。
延々と渦を巻いているのだ。
段差はなく、下り坂のようなカンジ。
両端にはやはり長くベッドが列をつくっている。
この辺りから恐怖を覚えた。
ふと、老人が立ち止まる。
「ここですわ」
ベッドのシーツをめくるとそこには...
白い棺桶があった。
顔の位置に窓が付いている。
中を覗くとまだ人が入っている...
おそらく死んでいるだろう人が...
しかし嫌がる僕を老人はその棺桶に押し込む。
そしてふたを閉める直前彼はこうつぶやいた。
「あんた死んだんだから」
ここで目が覚めた。
生きてて良かったよ(´∀`*)
おわり
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