序章・前編 死して私は人となる。

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普通より少し裕福で、 温かい家庭。 私は前世というべき世界で生きた20年間をリセットしたかのようにすくすくと育った。 鳶が鷹を産むというように、鷹は鳶を産んだ。 美しい両親であるにも関わらず、私は前世と全く同じ容姿だった。 表情も乏しい。 自分の事は、何一つとして変わっていないではないか。 ただ、違うのは、祖父が武道家である影響で、空手を習った事。 強くなりたかった。 心も躯も。 変わりたかった。 また、同じ過ちを繰り返さないように。
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