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団長去った後、私の手には、ずしりと重い何かが入った皮袋と布にくるまれた棒状のものが、持たされていた。
「はいみてらっしゃい、ヘルコンドルの串焼き一個、なんと一粒砂金の価値があると言われる黒胡椒がかかった高級肉料理一串銀貨二枚だ、早い者勝ちですよ」
と張り上げるように叫ぶ現女王ミーナ様
「少し肉臭みありますが美味しいですよ♪みなさん」
切り刻んだ肉に木の串に差して王女と女王が商売を始めていた。
なぜにこんな公道の真ん中で商売を始める二人を見て、商売魂というものを感じた。
どこから持ってきた丸机に幅広の熱くなった鉄板上にのせた鳥肉の串焼きをおいて黒胡椒、塩を振って売っている。
まわりには、舌包みを打ちおいしそうに食べる人達
でも黒胡椒かけすぎだよね、反対に赤字になるんじゃ……
「ミーナ様、その黒胡椒って本物ですよね?」
無言でうなずくミーナ様
もう20分満たないで品切れになり二人は、円満な笑顔で銀貨を数えている
「銀貨一杯ですよ、かあさま、これでまとまった軍資金ができましたよ」
「なにいってんのボランティアに決まってるでしょ、そのぶん夜ご飯は、豪勢にするから……少しぐらいあげてもいいかな、はい」
左手に数枚取り、アンナ様に渡す。
「わーいかあさま銀貨銀貨」
ポカーンとその光景を見ている私がいた。
あほーあほー
まるで私をバカにしているみたいに鳴くカラスを疲れたように見つめる。
夕暮れ時
1日目
未だ出発出来ずに、笑いあっている2人を見ないように、団長に貰った餞別を持ち家路に帰ることにした。
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