Ｇとの戦い

本編

学校から帰ると、玄関で母さんがハエ叩きを片手に凄まじい形相で立っていた。
「な、何かあったの？」
僕は嫌な予感がしてそう訊いた。
「ゴキブリよ！　ゴキブリが出たのよ！」
母さんはゴキブリがこの世で最も嫌いなのだ。
凄まじい形相をしている理由がこれでわかった。
「大袈裟だなぁ。どこの家でも出るじゃん」
呆れた僕は靴を脱ぎ始める。
「違うのよ！　あちこちで５匹も出たのよ！」
母さんは泣きそうな声で僕にすがりついてくる。
「５匹も？」
さすがに１度に５匹も見かけることはあまりない。
隣の家のが引っ越してきたのだろうか？
母さんはハエ叩きを僕に押し付ける。
「夕飯の買い出しに行ってくるから１匹残らず退治しておいて！　１時間で戻ってくるから」
そう言い残して慌てた様子で靴を履き、外に出ていってしまう。
果たして１時間で５匹も見つけて退治することができるだろうか。
どこら辺りに居たか訊いておくべきだったな。

ゴキブリを退治するための能力
視力
ゴキブリを見つけ出すために必要な最も基本的な能力。
聴力
ゴキブリが動いた際のかすかな音を感じるための視力に代わりうる能力だが、うるさい場所だと効果が発揮されない。
反射神経
ハエ叩きなどの道具を扱う手の動きや、ゴキブリの素早い動きに対応するための能力。低いと素早い手の動きを必要とする道具だとゴキブリを退治するのは難しい。
最初はいずれも３点持っている。
この３つの能力に自由に６点加えることができる。
自分の視力はバツグンだと思うなら、視力３＋６の９にしても良いし、視力、聴力、反射神経がそこそこあると思うなら、すべてに２ずつ加えても良い。
Ｇ
ゴキブリを退治した数。５になるとすべて退治したことになる。
持ち時間
母親が帰ってくるまでの６０分で、捜索や２階へ上がったり１階へ戻る時にも減少する。０以下になる前にＧを５にしなければならない。

僕は靴を脱いでハエ叩きを片手に、ひとまず調べる場所を決めることにした。

１階
①父さんの部屋ページへ
②母さんの部屋ページへ
③居間ページへ
④台所ページへ
⑤風呂場ページへ
⑥トイレページへ
⑦床の間ページへ
⑧仏間ページへ
⑨物置ページへ
⑩空き部屋ページへ
２階
⑪僕の部屋ページへ
⑫妹の部屋ページへ
⑬弟の部屋ページへ
⑭ベランダページへ