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MC
『それではお待たせいたしました!皆様!お約束の口上、行きますよー!』
MCの言葉にスタジアムを埋め尽くした満員の観客達の雰囲気がにわかに盛り上がる。
それに応える様にディスクを構えれば一拍遅れながらもディスクを構える少女。
初の大舞台故にその目には緊張の色が見え隠れしていたが、交錯した視線に彼女は小さく頷いた。
相手の覚悟が決まったなら、もうこれ以上観客を待たす理由は無い。
遊司
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
ルミナ
「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」
遊司
「フィールド内を駆け巡る!」
ルミナ
「見よっ、これがデュエルの最強進化形っ!」
MC・観客
『アクショーーーーーン!!』
遊司・ルミナ
「「デュエルッ!」」
そして紡がれた口上に轟く開始の宣言。
同時に頭上では破砕音が響き、多量のカードがフィールド全域へと降り注ぐ。
これで舞台は全て整った。
退屈な戦いのーーいや、茶番劇の始まりだ。
MC
『ハンデとしてチャレンジャーには先攻後攻の選択権利が与えられます。ルミナ選手、どちらを選びますか?』
ルミナ
「はい!なら先攻を頂きますっ。私のターン!」
問いに元気良く手を上げた彼女は勢いそのままデッキからカードを五枚ドローする。
当然俺も同じく初手五枚をドローしたが、まだ中身は見ない。
まずは相手の初動、更に動きや表情を注視するのが自身のやり方であり。
しかしそんな此方の視線に気付いた様子もなく少女は手札と数秒間のにらめっこをして、
ルミナ
「んー、この手札なら……。私はモンスターを裏側守備表示でセット!」
ルミナ
「更にカードを一枚場に伏せます。これにて私の第一ターンは終了ですっ!」
ルミナLP8000 手札3枚
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