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プロローグ
セリューナ・ベルセオラ。
そういう名前の娘がいたことは知っている。
魔族の人質となり、一度は無事解放されたものの、再び家族ごと連れ去られた娘だ。
かわいそうに、とは思うものの特別身に迫る問題ではなかった。
しかし、彼女のおかげで、魔族を相手に商取引ができるようになるかもしれないという。
…だからといって、
「聞いているのか、フラウローゼ」
なぜ。
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