出会い

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「諒ちゃん!諒ちゃんどこいったの!」 お母さんの声が聞こえてくる。 ぼくは聞こえないふりをして客室のベッドの下にかくれた。 いつもだったら呼ばれたらすぐにお母さんのところに行くけど、今日はちがうんだ。 ”今まで遠くに住んでたお母さんのお姉さんの子ども、 『ゆかちゃん』が来る。” きっとぼくより大きくて、こわい子に決まってる! 「由花ちゃんもうすぐ来ちゃうわよ!」 お母さんのその声にビクリとして、肘をベッドにぶつけてしまった。 「ここね!?」 お母さんはじごくみみ?だから、ぼくのいる所がわかってしまったみたいだ! お母さんはぼくをベッドの下から出すとぼくの服についたほこりをはらってくれた。 「ぼ、ぼく行かなきゃだめなの?」 「行かなきゃだーめ。」 がんばって逃げようとしたけどダメみたいだ。 「大丈夫よ、由花ちゃん良い子だからね。」 しぶしぶぼくが歩き出すとお母さんはニッコリと笑った。
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