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第一話 ハードカリバー
機械科学文明惑星、清地。それは九十九年前に 失われた。
○○九九年。清地は、無数の活火山の大爆発の影響でウェイストと名の荒れ地世界に一変した。
ウェイストの世界を良いことに、エクスカリバーを武器と見なしたサバイバルバトルを展開。賞金首を狙った賞金稼ぎ生活者の村の復興。誰一人も裕福な暮らしに慣れなくて、エクスカリバーの犠牲が増える【生き地獄絵図】そのものに至った。
「ハッハッハー!!ほらほら~、エクスカリバーのサクリファイスたち、貴様たちを見事、手刀断罪してやる~。これでも食らえ~」
「うわぁ~っ!!やられるっ!!」
とある暴漢は、右腕を大きく振り上げると、ロープで全身拘束された村人たちの姿がみるみるうちにミンチにされたという。
一方、被害に遭うことのない辺鄙な平坦地帯。
ウェイストコインを生活賃金と扱ったこの惑星圏で、金に飢えない男が存在していた。
「身辺検査終了しました。見事に一文無しの青年です」
「そんな人間、この世紀末にいたら化け物だ。何かコネがある野郎だな。オレが始末してやらぁ」
「待ってました!!アプネ様ぁ」
アプネはこのアプネフィールドの地主で、無断で立ち入った旅の男に因縁付けようと仕掛けてきた。
「へへへぇ~!!イッちまいなっ」
挙げた片手の五指がぴたりと密着して、刀の穂型を造り出した。ピンと伸ばした肘が鋭利の真剣に見えた。それほどの威圧感があった。
アプネは、利き手の親指の関節を、掌に向けて折り曲げた。
「食らえ~、エクスカリバー!!」
丸腰の男に振りかざしたアプネの手刀が、空を引き裂いた。
周辺のチンピラたちが一斉に盛り上げた。
空を裂く音が鋭かったので、その男の命が尽きたものと誰一人も思って信じ切った。
「無一文野郎が通行した罰だ。思い知れ」
チンピラたちが勝利の歓喜を上げた時、騒々しかった祭りの雰囲気が、急に止まりだした。
「ん?てめえら、何突然しらけてんだ?」
アプネが疑惑しだした。
チンピラ野郎たちの目の位置が明後日に向けられていたのだ。
「あん?何ワケ判らんことしてる」
その言葉のあと、数名の野郎たちの身体が漢数字の一を描いて腹部が断罪されていたという。
「ほがぁ」
「はぎぃ」
妙な嗚咽を吐いては、それぞれ、身体が二分割されてしまったのだ。
「そんなバカな!?こんなエクスカリバー見たことねぇ……ねぇぞぉ~」
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