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※※※
ライセと名の男、剛刀使いだが、その奥義は無数に渡る技法を備えていた。だからアカデミーから、ロージー追跡調査という殺人派遣の仕事を兼ねてよこしたという。
アワヤーの村。ロージーが残した跡の影など虚しく、また立ち去る頃だった。
「待ちな!!貴様、剛刀使いのライセか?」
「人に聞くよりも先に名を語れ」
「生意気な!?俺はアームカッター兵団の団長のバンクだ。冥途の土産に教えてやったぞ」
「来世(らいせ)に逝くなら先に逝け。オレは後からゆっくり逝く」
「たわけがぁ、野郎たち行くぞぉ~」
兵団の威勢が、ライセの怒りより弱く感じさせた。
「うおおおお~っ!!」
エネルギーが満ちあふれてきた。ライセが一刀両断してきた。
「剛刀法二十条、剛刀一斉舞閃!!」
三十名以上の兵団が、悉く散り散りになり果てた。
バンクが驚いて撤退しだした。
「剛刀、一陣裂発!!お前の逃げ道に、もはや来世以外ない。散れ」
「バカめが、掠っただけだ。こんなんで……あああっ、もでぇれ!!」
バンクの身体がミンチ状態に引き裂かれた。
突然、ライセの手前に出現した一人のシルエット。見慣れぬ手刀技法を心得たエキスパートらしき男だった。
「オレはフィン。ロージー師範のセルフカリバーレイドの一人。貴様と手合わせ願いたい」
「ロージーに近い者、どけ。オレは居場所さえ知れば奴を引きずり出して連れて帰るのみ」
「まずは倒してから、この先を進むことは不可能。いざ勝負」
「……」
立ちふさがれてしまったライセ。もはや、戦うしか道はなかった。
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