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夏の夜はなぜだか泣きそうになる。
それはきっと誰かに会いたくて会えないからだろう。
他の誰かに会いたいのに
きっとその誰かも誰かに会いたがってるのに
僕らは出会えない。巡り合わない。
そんな夜は一人寂しくオナニーみたいにこんな文を書いたりするんだ。
この夜は繋がっている。いつか高校生くらいの時の夜と。
湿気と温度が僕らを包む。
怖いときもある。
だけど大丈夫。夜の帳が僕らを守ってくれるから。
闇夜に紛れて僕はゆく。
地図の無い見知らぬ町を。僕らはゆく。
互いに出会えぬまま。
厄介なルールも
恐ろしい暴力もそこにはない。
ただ静かな音だけがそこにある。
静かな虫の声。
その中に立って、僕の中でだけ音楽が鳴り響く。
クラッシックでも洋楽でもなくジェーポップ。大衆音楽とバカにする人もいるけれども、僕はなかなか推している。隠れた名曲もあるんだな。これが。
宙ぶらりんになったような不思議な気分で、僕はスキップしながら歩く。
それ、ホップステップジャンプ。
したらば女の子がいた。
彼女は周りの景色からくっきり浮き出て見えた。
話しかけてみる。
「やあ君ー」
「どうしたのなぜお呼びになったの?」
「コンジェロームな夜が明ける、僕らは素敵なむじの穴。ルルルルルララーやってくる、それは素敵な物語セィ」
「ああ待って行ってしまわないで」
僕は戻って来た。
「くるくるくるくるまわりんぼ。やあ愛しい方どうしたんだぃ悲しそうな顔をして」
「あなたが行ってしまったと思い込んだのバカな女」
「そんなことない!君は素敵な豊穣の女神さイザナミのように僕を導いてくれる」
「これで自由になったのね。これで、永い悠久の眠りから覚めたんだわありがとうそしてよろしく」
「こちらこそだよ御婦人様」
「ツモ切りっ!なんてやつなのっ興奮しちゃう」
「盛者百来の女神。嗚呼、嗚呼。何故あなたは生まれたの何故あなたは僕の前に姿を表したの?」
「これでイーシャンテンね愛しき方」
「君を落とそうだなんてなんて不埒なプラチナサンサンデーああっお父様でありましたか。このようなお姿になって、慈しみばかり限り無し」
「父は偉大だぞ貴様など足下にもひれ伏す価値もない」
「それはあんまりなお言葉っ」
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