【1】爆発音がしました

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「ここか」 住所が示す場所にあったのは、白い建物でした。 見ただけで『何か胡散臭そうな実験をしている研究所』と分かる建物でした。 僕は敷地内に足を踏み入れます。 研究所は林の中にあり、日がほとんど当たりません。 初夏だというのに、ひんやりとした空気です。 マイナスイオンでしょうか。 苔むした道を歩いていると、建物の入り口に到着しました。 白衣を着た眼鏡の男性が、笑顔で迎えてくれました。 「こんにちは、便利屋さんですか?」 男性が尋ねました。 僕は名刺を差し出します。 「はい、冬柴健太と申します」 営業スマイルでそう答えました。 「私は研究所所長の小春俊明(こはる としあき)です」 小春さんも名刺を差し出しました。 「さっそくですが、草刈りをお願いしていいでしょうか」 小春さんが依頼します。 「はい」 僕は頷きました。 「ではこちらへ」 小春さんが道を案内してくれました。
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