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なんか頭が冷たくて気持ちがいい。
ゆっくり目を開けると心配そうに私を見ている男がいた。
「気が付いた?
覚えてる?僕の名前を呼んで倒れたんですよ?」
「えっ!?ごめんなさい。」
えっと...なんだっけ...
あっ!そうだ!
「宗くん...ですよね?」
「はい。今は沖田総司ですけどね。
権助は....名は見つかりましたか?」
自分の名を言ったあと、沖田は少し悩みながら私に名を尋ねた。
土方さんにまだ聞いてないのかな?
「吉田結城です。」
「そっか。じゃあ、復讐は果たしたんだね?」
.......復讐?
なんの話だろう。
ダメだ。沖田さんを宗くんと呼んでたこと以外は全然わからない。
だけど沖田さんは私をいろいろ知っているみたい。
「おい。結城も気が付いたんだし、そろそろ俺にもわかるように説明しろよ。」
「「あっ。土方さん居たんですか?」」
私と沖田さんが同時に失礼極まりない発言をした為土方さんの顔がみるみると鬼の形相に。
ヤバい。怒鳴られる───
「天然理心流の道場の元門下生ですよ。」
怒鳴られるのを覚悟して俯いたけど、聞こえてきたのは沖田さんの落ち着いた声。
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