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───広間で夕餉───
「今日から総司の小姓兼一番隊の隊士として働いてもらう"吉田結城"だ。」
今日近藤さんは不在ということで、土方さんが私の紹介をしてくれた。
「吉田結城です。隊務も精一杯頑張らせて頂きますので、皆さんよろしくお願いします。」
土方さんに促されるまま挨拶をして周りを見渡すが───
どこを見ても男・男・男.....
もしかして女の子いないの!?
それとも私と同じように男装してて私が気づけてないだけかな?
自己紹介って言っても特に紹介できることも思いつかないから軽く挨拶をしたけど、拍手と"よろしくなー"って声が聞こえてきて嬉しくなる。
お辞儀をして、たぶん私の為にと開けてくれていたであろう沖田さんの隣に座った。
「今日も命に感謝して。いただきます。」
私の着席を確認した土方さんが号令をかけると隊士達も手を合わせて"いただきます"という。
いただきますの一言にみんなどれだけ気合い入ってるんだ。と、思いながらも"郷に入っては郷に従え"。
私も元気よく"いただきます"と言うと、微妙にタイミングを外してしまい沖田さんに笑われた。
こういうの慣れないんだもん。
「ねぇ、沖田さん。
ここって女子はいないんですか??」
「えー?いないですよー。」
い....いない!?
嘘でしょ?そんな....
「おっ!?なんだ!新入り!女子が恋しいなら島原にでも行こうぜ。
歓迎会してやるよ。」
よっぽど女の子が好きなのか、いち早く話題に乗ってきたのは、ここに来たときに会った永倉さん。
気持ちはありがたいけど.....
たぶんそれって色町のお誘いですよね?
そんなのちがーう!!
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