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───ヤバい。仲間がいたの!?
恐る恐る振り返ると.....
切れ長な目に後ろで一つに結った長い髪。
それに一度見たら忘れなさそうな派手な羽織を着た男が立っていた。
「ちょっと屯所まで来てもらおうか」
...............!?
仲間っぽくはないけど、目つきの悪い...
「おじさん誰?」
「お...おじ.....」
あれ?顔を真っ赤にして固まっちゃった?
「どうしたんですか?」
「誰がおじさんだクソガキ!!!
いいから来い!」
顔に似合わずすごい迫力で怒るおじさんに、さすがに圧倒された。
「うぎゃぁぁぁぁぁ。人さらいだぁぁぁぁ」
ちょっ。なんでみんな"可哀想に"って顔して遠巻きに見てるわけ!?
完全に人助けだったじゃん?みんな見てたじゃん?
人助けなんてするんじゃなかった...
「ぁの!ままま待って下さい。この方は私を助けて下さったんです。」
助けたのがこの子で良かった。
さっきの女子が天女に見える。
「知ってるよ。別に取って食いやしねぇから。嬢ちゃんは安心して家にでも帰りな。」
口調は優しいけど、女子に振り返ったその目は相手に有無を言わせない威圧感たっぷりの目だ。
「.............はい。」
そんな目に可愛い町娘が敵うわけがない。
ですよね。
私も諦めて連行されるとしよう。
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