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「・・・ もう行くの??」
裸体の女性の整った顔立ちのロングヘアーの女性がベッドから男に声をかける。
「ああ・・・[狩り]の時間だ」
精悍な顔立ちをしたウルフカットの男が裸体のまま立ち上がり黒い服を纏う。
「・・・ああ、クスリに侵されたバケモノが出る日ね、ねーケイト・・・次はカイも連れてきてよ」
ケイトと呼ばれた美しい男はニヤリと笑い静かに呟く。
「・・・あいつはオトコにしかハンノウしねーからダメだ」
「・・・メザメさせてあげるのに、あんなカワイイコ・・・、オトコ同士なんてもったいないわ、アナタもリョウホウだしね」
「性におおらかだなぁでいいだろ、アイリン」
馴染みの娼婦に口づけするとケイトは扉を開きその場を後にする。
午前0時・・・。
かつては日本と呼ばれた、この瓦礫の国でケダモノ達が吠えたける。
スラム八番街
「・・・生臭せぇな・・・」
ケイトは目の前で人間だったものを咀嚼する禿げた男に声をかける・・・。
「たくっこんな夜はこんな奴らばかりいやがる・・・クスリの副作用にしちゃ面倒だな」
「・・・キレイナオトコダナァ・・・オマエハウマソウダナァ」
「わりぃが食人種は守備範囲外だ・・・」
禿げた男が血走った眼をケイトに向ける。
「いい月夜だぁ・・・お前みたいな雑魚に構ってる暇はねぇな・・・」
「ザレゴトヲ!!! 」
男が襲いかかった瞬間、風音が響き・・・ゴトリと男の首が落ちる・・・。
「・・・好き勝手いじくられ投薬されたんだ・・・・同類としては同情するが・・・」
ケイトはふうとため息をつく。
「・・・力に呑まれてヒトの矜持を忘れちゃならんでしょ・・・対話によってヒトは理解しえるのだから」
ケイトはまたため息をつくと同時に姿を消した。
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