体育祭の当日は。

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「ねー、あき。その後どお?」 グラウンドでは応援合戦が始まろうとしている。 「どうって?」 「だから、佐伯の件。聞けたんでしょ?」 旗手の佐伯が丁度中央に向かって先頭を歩いている。 上半身裸に白いサラシを巻いて白と紫の衣装を羽織り、腰だけ無造作に紐でくくった姿は、妙に色気がある。 あきの縫った衣装はサイズも丁度に仕上がり、よく似合っている。 「まあ、ゆいが仕組んでくれたお陰でね」 『そのためにわざわざ佐伯の衣装ってわかってて、わたしに作らせたんでしょ』と、言葉尻に暗に込める。 「仕組んだなんて人聞きが悪い......はは、でも、バレテタか」 「ばれないでか!!」 ゆいに悪びれた素振りは全く無い。 「まあまあ、あき。でも話せたんでしょ?」 「それは......」 「隠したってわかるんだから」 だって、一昨日位から佐伯の機嫌はすこぶるいいし、一方のあきはまるっきり挙動不振。 ゆいからすればまるわかりだ。 「今回はしっかり聞かせてもらうからね」 いつもならこちらを察して引き下がってくれたりもするゆいだけど、今日は何故か譲る気はなさそうだ。
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