体育祭の当日は。

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キャンプファイアの炎が幻想的な雰囲気を作り出す中、グラウンドでは各自に騒ぐ者や雰囲気に乗って告白を始める者も居る。 ゆいも他のクラスの男子に呼び出されてどこかへ行ってしまった。 あきは喧騒のグラウンドの中を佐伯を探す。 打ち上げが始まった頃から姿が見えない。 ゆいのように告白されているのかもしれない。 思い浮かんだ情景を振り払うように頭を振る。 「福田に頼まれただけなんだから」 そういい聞かせて、佐伯を探す。 福田はこの前の放課後、あきと佐伯が二人で残っていたせいか、仲がいいと思っているようで、『内藤、佐伯呼んでこい』との指令を下した。 他の誰かに頼めばいいのに、機嫌がいまひとつな福田のことは皆も察知していて、あまり近付かないのだろう。 そこで捕まったのがあきだった。 「福田も自分で探せばいいのに」 ぶちぶち言いながら、人混みの中を縫うように探し回るが見つからない。 やっぱりグラウンドにいないのだろうか。 告るのに呼び出された可能性もあるけれど、そうじゃなかったなら? 私の知る佐伯なら......。 『キャンプファイア?かったるい、中で休んでるわ』 だと思う。 「そっか、教室!!」 凄く納得がいって、すぐに校舎の中へと向かった。
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